空調の効きが悪い上に節電を謳った経費節減の甚だしい環境で勤務していたため、冬場の寒さが半端でなく、さらには冷え性なこともあって、冷え込みの厳しい日の朝などは手がかじかんで、パソコンのキーボードもまともに打てないこともありました。

そんな時に本当に助けられたのが、会社の廊下に一台だけ設置された自販機の存在です。
駅から会社までの道すがらに飲み物を買うことはもちろん出来るのですが、特にコンビニのホットドリンクはあまり温かくないのですぐに冷えてしまう。

それに比べて自販機のホットドリンクは、入れ替えたてでもない限り大抵えげつない位にアツアツなので、冷え冷えになってしまった指を復活させるのには最適だったのです。
会社の入っているビルのエントランスには複数台の自販機があって、飲み物のラインナップも豊富だったのですが、それでも私にとっては廊下の古びた一台きりの自販機が有難かったです。
あの存在がなければ仕事を続けられなかったと本気で思います。

また、決まった休憩時間のない職場だったので一服やトイレ休憩などは各々で取っていたのですが、当時ほのかに思いを寄せていた人が自販機に向かうタイミングに合わせ、さり気なく自分も席を立って自販機に行き会話のチャンスを狙ったりしたこともありました。(女性・30代・会社員)